食える仕事、食えない仕事
友人の娘さんは
ヴァイオリニストです。
最高峰の芸大を卒業し、
ドイツ留学をした才媛です。
勉強もトップクラスでできたけど、
音楽の道に進みました。
卒業してから
演奏をしたり、指導をしていますが、
それ以上に楽器のメンテナンスや
ピアノ伴奏者へのお礼、
移動費、衣装代などに消え、
収入はわずか。
ヴァイオリンを習う子女も
最近では減っているでしょう。
学校の音楽教師のポストも
ほぼないに等しい時代です。
結局、両親の家に住んで
食べさせてもらい、
演奏活動を続けるしかないようです。
30歳にもなると、
婚活が最大の目標になっています。
お金を稼ぐ男性をゲットし、
それに乗っかって
演奏活動するのが目標だそうで・・・
昔から、音楽や美術、演劇など
芸術系の仕事では
なかなか収入が得られないことは
良く知られていました。
でも、以前は、
クラシック系の女性音楽家は、
高収入のエリート男性に結構好まれ、
結婚して収入を気にすることなく
演奏や指導に集中することができました。
ところが、
日本経済がなかなか好転せず、
大企業ですら倒産やリストラなどの
危機に合うような時代となりました。
そうなると、
エリート男性ですら、
求める女性観が変化し、
専業主婦希望者や
お金のかかる音楽家などと結婚するより、
資格を持った稼げる女性を
保険として選ぶようになってきたようです。
最近では、特に女性の場合、
看護師や薬剤師、保育士、美容師など、
どこでもいつでも働ける資格の
希望者が増えています。
婚活市場でも
看護師や保育士などは人気だそうで・・・
私たちの若い頃は、
看護師さんは
ほぼ誰でもなれる職業でした。
中学卒業後、専門学校で
看護師になる資格をとる
同級生も数名いました。
でも、今は、
大学に看護学部ができ、
看護学部の偏差値も上がり、
看護師さんの収入や地位も向上しました。
こうした資格をもった女性は
夫がどうかしても、
離婚しても生きて行けるでしょう。
私は小中高の教員免許を持ち、
生きていくのには困りませんでした。
また、ピアノ教師もできるので
子供が小さい頃は
家で働けて助かりました。
ただ・・・
30代の頃、自分が大きな病気をしたため
働けなくなりました。
その後、病気が回復したのを期に、
教員などをしながら
頑張って勉強し、
国立の大学院で学位(博士)を取り、
研究者の道に進みました。
文系で博士号を取るのは
この上もなく厳しい道のりでした。
大学教授でも持っている先生はわずか。
国内や海外の学会で発表し、
論文を書きまくりました。
ただ、研究は面白いのですが、
収入は多くありませんでした。
博士号は、なかなか取得できないけど、
「足の裏の米粒」と言われますように、
ほぼ「取っても食えない」です。
「でも、取らないと気持ち悪い。」(^^;)
大学の正教員の道は
少子化でほとんど閉ざされていますし。
非常勤だけで生きていくことは
厳しいですね。
これからはAIの時代です。
どんな仕事が
生き残っていけるのでしょうか・・・
私の老後は、
好きな研究を続けながら、
ぼちぼちピアノ教室でもして
暮らしていこうかなと思っています。
数年前に介護の資格も取りましたが、
こちらは体力勝負なので
使わずじまいかもしれません。
結局のところ
何をするにも
体が資本ということですね!
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6 件のコメント:
>博士号は、
>「足の裏の米粒」と言われますように、
>ほぼ「取っても食えない」です。
>「でも、取らないと気持ち悪い。」(^^;)
この例えがなるほど!と思ってしまいました^^
技術がある人は、やはりどの時代も強いと
思います。AIがもちろん、これから進出して
くるとは思うのですが、その分新たな仕事等も
きっと生まれると思うわけです。
すみれママさんなら、通常のピアノ教室
以外にも、例えばYouTubeでピアノのレッ
スン動画をあげたりすることで、さらに
収益をあげることも可能だと思うわけで(^o^)
神田ももたろうさん
博士号を取るのは、死ぬほど大変だったのですが、
その努力に見合う収入にはなかなかなりませんね~
アメリカなら、「Dr」って尊敬の対象になるのですが、
日本ではダメですね。
YouTubeでピアノのレッスン動画ですかぁ。
ちょっと面白そうですね!
曲でも作って動画にしてもいいかな。
文章から、知的な方だなっていう印象は持っていましたが、いやいや、すごい方だったんですね。
芸術家って、稼げない分野なんですね。自分の周りに、そういう方がいないので、知りませんでした。
なかなか、その道を極めても、食べるのには苦労する仕事もあるんですね。
ぽんぽさん
「極めた者」が必ずしも収入とは結び付かないのは仕方がないですが、
日本は、「みんな一緒」が好ましい民族ですから、
皆と異なる人には優しくないですね。
だから、優れた研究者や芸術家は海外に行ってしまいます。
博士号を持った人が優遇されず、研究を断念していくのを見ると、
本当に残念なことだと思います。
なるほどー、そうですね、それは淋しいことですね。
「皆と異なる人には優しくないですね。」
確かに、その通りですね。
ぽんぽさん
よく、「出る杭は打たれる」と言われます。
でも、「出過ぎた杭は打たれない」と言う人もいます。
しかし、「出過ぎた杭は抜かれる」のが日本かもと思ったりします。
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