2016年8月19日金曜日

吉田沙保里選手の銀メダルは天からの啓示かも

喘息と診断されていたレスリングの吉田沙保里選手



リオ・オリンピックでは、
日本女子レスリングでも各階級で金メダルが続出し
素晴らしい結果を見せつけてくれました。

その中で、日本選手団の主将を務めた吉田沙保里選手。
今回は、オリンピック4連覇を目指しての戦いでした。

霊長類最強女子といわれ、連勝を続けてきた
彼女の輝かしい経歴は歴史に残るものです。

彼女の努力は日本の女子レスリング界を牽引し、
多くの優秀な後輩を生み出す原動力となりました。

その彼女がまさかの銀メダル。
誰もが金メダルが当然だと思っていたので
その反動は日本中に波紋を広げています。

私も彼女が負けた瞬間、
「まさか~ かわいそうに。」と脱力しました。

見ていられないくらいの号泣でした。
そして、謝罪の言葉・・・

彼女は30歳を超え、体力的にも限界に近いものが
あったと思います。

さらに、日本選手団の主将としての責任感。
日本という国を背負っての出場は
かなりの重圧だったと思います。

彼女の金メダルへの執着はものすごく
その気迫は感じられました。
よく頑張ったと思います。

この大会後、彼女はどのような選択をするのか
注目していきたいですね。

そんな吉田選手ですが、
昨年末、喘息と診断されていたようです。

運動すると息が上がって苦しい、咳が出る、
息が吐きにくいなどの症状を訴えて受診。
気管支喘息と診断されました。
彼女の場合は成人で発症した喘息です。

喘息は意外にアスリートにも多いのです。
スケートの羽生弓弦選手や清水宏保選手も
子供の頃から喘息を患い、病気と戦ってきました。
それでも金メダルを取ることができたのは
凄いとしか言いようがありません。

吉田選手の場合は昨年からですので、
まだ日が浅く、喘息のコントロールが
上手くできていなかったと思います。

私も昨年秋から成人喘息と診断されたため、
その治療法がなかなか確立せず
今は医師と一緒に暗中模索状態です。

吉田選手もそういった体の不調を押しながらの
トレーニングは相当辛かったことでしょう。

そして、
お父様が亡くなられたのも精神的に
ダメージが大きかったと思います。

多くの重圧を背負ってのオリンピック。
よく頑張られたと拍手を送りたいです。


金ではなく「銀メダル」は天からの啓示ではないか

吉田選手は公式戦勝率が
95%以上だと言われています。
2001年に、一度だけ個人戦で山本聖子選手に
敗退していますが、それ以降は連勝しています。
世界大会では金メダル20枚、銀・銅メダルは0枚。
完璧な成績をおさめてきました。

世界一が当たり前になっていたのです。

自分より上の者はいないという位置づけですね。

そして、リオでも金メダルしか見えていなかった。

でも、現実は銀メダルでした・・・

「現実が正解」と言った
立川談志師匠の言葉が思い出されます。

人間はよく
「・・・だったら・・・だったのに」と悔やみますが、
やはり現実が正解なのかもしれません。

吉田選手も悔やんで号泣した後は
この現実を受け止めることが必要でしょう。

冷静になって現実を受け止めた時、
新しい彼女が生まれると思います。

それは・・・
「負けた人の気持ちがわかる」人間になれることです。

世の中多くの人は、なかなか思うようにいかず
辛い思いをして生きています。
負けることなんて日常茶飯事です。
勝ち続ける人生なんてないのですから。

彼女は多分、今後日本のレスリング界を背負っていく
指導者になると思われます。

今回大舞台で屈辱を味わった彼女は、
もし指導者という道を生きていくとしたら
かえって素晴らしい贈り物を
得たのではないかと思います。

天が与えた試練・・・
いや、啓示なのではないでしょうか?

例えば、
教師に叱られたこともない優等生で良い子が
学校の教師になっても
いい教師にはなれないみたいな・・・
勉強ができなかったり、よく叱られる子どもの
気持ちがわからないでしょうから。

負けたことがない指導者は
良い指導者にはなれないでしょう。

吉田選手は今後どのような道を進むにしても
「銀メダル」を取ったことが
彼女をより高みの人間に導いていくと
私は信じています。

彼女の今までの功績は偉大ですので、
「自分を責め続けないよう、前を向いて歩んでください。」
と言いたいです。



     

      
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4 件のコメント:

神田ももたろう さんのコメント...

さすがにびっくりしましたねー

金が当たり前の彼女が銀。
その話自体が、冗談のような世界。
想像もつきませんね~

今回、今までの実績からすれば銀は
残念な結果ということですが、
誰も彼女を責める人はいないでしょうね。
それくらい、彼女の功績は偉大すぎます^^

戦績以上に、後輩達への多大な影響。
そして、日本国民にアマレスを知らしめた
見えない功績は計り知れないと思います。

すみれ さんのコメント...

神田ももたろうさん

そうですね。
彼女の功績は偉大ですね。
かつては女子レスリングなんてあまり興味がなかったけど、
あそこまで盛り上げられると面白さがわかってきましたもんね。
まだ、選手を続けるのでしょうか・・・

アラジン さんのコメント...

レスリングは室内のマットの上で戦う競技。
日干しした布団を叩くと埃が無限に出続けます。
練習中や競技中は口呼吸で埃を最大限に吸ってます。
喘息にならないほうがおかしいくらいですよね。
ステロイドはドーピング違反になりますし・・・。
難しいですね。

すみれ さんのコメント...

アラジンさん

アスリートの喘息罹患率って結構高いようですね。
埃とか砂埃とか環境的にもなりやすいのでしょう。
ステロイド吸入薬は大丈夫みたいですが、
経口ステロイドや気管支拡張剤は気をつけないといけないようですね。
漢方ですら、「麻黄」や「半夏」などにも「エフェドリン」が含まれていて
ドーピングに引っかかる恐れがありますし・・・
アスリートって本当に大変ですね。